フェチ映画

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マグニフィセント・セブン【※ネタバレ】感想や結末までのストーリーを分析

マグニフィセント・セブン (字幕版)

 今回は『七人の侍』を元ネタにした映画『荒野の七人』のリメイク作、『マグニフィセント・セブン』のストーリーの構造を分析してみます。

マグニフィセント・セブンの概要

公開:2016年
上映時間:133分
制作国:アメリカ
監督:アントワーン・フークア
出演:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、ヴィンセント・ドノフリオ、イ・ビョンホン、マヌエル・ガルシア=ルルフォ、マーティン・センズメアー、ヘイリー・ベネット、ピーター・サースガード

 悪徳事業家ボーグに町を奪われたローズ・クリークの住民たち。彼らを助けるために七人の男たちが立ち上がり、命をかけて戦う話。

類似作品

『荒野の七人』『サボテン・ブラザース』『バグズ・ライフ』『ギャラクシー・クエスト』『ザ・マジックアワー』『スーサイド・スクワッド』

などの『七人の侍』を元ネタにした作品群。

ストーリーの分析

『マグニフィセント・セブン』の結末までのあらすじをいくつかのブロックにわけて重要な部分を解説していきます。

※この先は『マグニフィセント・セブン』の結末や重要な部分のネタバレがふくまれるので、未見の方は引き返すことをおすすめします。

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※この先、ネタバレ注意です!

オープニング

 1879年、アメリカの西部にあるローズクリークの町が舞台。

 ローズクリークの住民たちは、バーソロミュー・ボーグという悪徳事業家に苦しめられていた。(ボーグの目的は金の採掘のためにジャマな住民たちを追い出すこと)

 保安官は買収され、頼れるものがいないローズクリークの住民たち。彼らは教会に集まりボーグに対抗するための話し合いをしていた。

 そこにボーグが現れ、住民たちにほぼ無価値で土地を売り渡すように命じる。抵抗したエマ・カレンの夫マシューが殺される。ボーグは教会に火を放ち、その他大勢の住民たちも虐殺し、見せしめのため死体を野ざらしにした。

物語が動き出すきっかけ

【物語が動き出すきっかけは、エマ・カレンとサム・チザムの出会い】

 夫を殺されたエマはボーグをローズクリークの町から追い出してくれる強者たちを探していた。

 そして、ローズクリークの近くの町に委任執行官のサム・チザムが現れる。彼は賞金首をみごとな腕前であっさり倒してしまった。

 ここで騒ぎに駆けつけたエマとサム・チザムが出会う。

登場人物たちの重要な選択

【二人の目的、物語の向かう先がしめされる】

 エマはサム・チザムの腕前を信じてボーグ退治を依頼する。(エマの選択)

 相手がボーグだと知り、興味をしめしたサムチザム(伏線)は依頼を引き受け、エマたちとともに助っ人探しの旅に出る。(サム・チザムの選択)

第1幕がおわり、第2幕へ・・・

仲間捜しの旅

 仲間さがしの旅の末、ボーグ退治に協力してくれる七人の強者が集まる。

  1. すご腕の委任執行官サム・チザム。
  2. カードマジックが得意な流れ者のギャンブラー、ジュシュ・ファラデー。
  3. 賞金首でロープの使い手、バスケス。
  4. 狙撃の達人「死の天使」の異名を持つグッドナイト・ロビショー。
  5. ロビショーの相棒でナイフ投げの達人ビリー・ロックス。
  6. クマのような大男ジャック・ホーン。
  7. ネイティブアメリカンのレッド・ハーベスト。

ローズ・クリーク側の反撃

【第1幕の選択によって生じた状況の変化がしめされる】
(苦しめられるだけだったローズ・クリーク側がボーグに対抗できる力を手に入れたことがしめされる)

 エマは七人の助っ人を引き連れ、ローズ・クリークの町にもどる。

 サム・チザムたち七人は、町を見張っているボーグの手下たち22名をあっさり退治してしまうのだった。そして、生き残った手下の一人にボーグへの伝言を命じる。

 ボーグとの決戦はおそらく七日後になるだろうとサム・チザムは予測する。エマが住民たちに七人とともに戦うように呼びかけるが、報復を恐れるものたちは町を出て行ってしまった。

 そして、ボーグに立ち向かう意志のある者たちだけがのこった。

決戦の準備

 七人はのこった住民たちに銃の訓練を施し、町の周囲に罠を仕掛け、ボーグたちを迎え撃つ準備を整える。

 決戦の前夜、サム・チザムは「無謀な明日の戦いを前に逃げ出しても誰も攻めはしない」とメンバーたちに告げる。

 ほとんどのメンバーたちは死を覚悟するのだが、南北戦争でPTSDをわずらっていたロビショーが夜中に姿を消す。(物語を盛り上げるための前フリ)

決戦

 七日後、ボーグが手下たちを引き連れローズ・クリークに攻め込んでくる。
 罠や作戦がうまくいき、サム・チザム率いるローズ・クリーク側はボーグたちを圧倒する。

 逃げ出したと思われていたロビショーも町にもどってくる。だが、ロビショーは悪い知らせを持ち帰ってきた。「ボーグたちが悪魔の兵器ガトリングガンを準備している」と。

状況はどん底へ

【どん底へのきっかけは、ガトリングガンの登場】

 優勢だったローズ・クリーク側だが、悪魔の兵器ガトリングガンの登場によって流れが反転する。

 ボーグ側のガトリングガンによる攻撃でローズ・クリーク側が圧倒されはじめる。

 住民の多くがやられ、ビリー・ロックス、グッドナイト・ロビショー、ジャック・ホーンが銃撃戦の末、倒れる。

逆転へのきっかけ

 命をかけて戦ったものたちの死がムダではなかったことがしめされる。ジュシュ・ファラデーが自分の命と引き替えにダイナマイトでガトリングを破壊する。

 これをきっかけに形成は逆転する。

 第2幕がおわり、第3幕へ・・・

物語のクライマックス

【エマとサム・チザムの目的が達成される】

 銃撃戦の末、手下を失ったボーグとサム・チザムが対峙する。

 実はサム・チザムとボーグのあいだには因縁があった(伏線の回収)。かつてサム・チザムの町もローズ・クリークのようにボーグの被害にあっていた。母と二人の妹が殺され、自身も吊し首にされた過去があったのだ。

 サム・チザムの正体を知り表情を変えるボーグ。命乞いをする彼にサム・チザムは神に許しを請うよう命じる。しかし、ボーグは隙をついてブーツの中から銃を取り出す。

 ボーグが引き金をひこうとした瞬間、エマがボーグを射殺する。エマは夫の敵を討ち彼女の目的が果たされる。(ボーグを倒し、町に平和がおとずれたのでサム・チザムの目的も果たされる)

ラスト

【オープニングとの対比、変化が描かれる】

 オープニングと同様にローズクリークは多くの住民を失った。

 しかし、仲間たちが殺されて絶望だけがのこったオープニングに対し、ラストでは仲間たちの犠牲によって勝利を得ていた。のこされた者たちは絶望ではなく希望を抱いている。

 崇高なる七人(マグニフィセント・セブン)の活躍により、ローズクリークに平和がおとずれた。町の外れには戦いの中で命を落とした男たち(ビリー、ロビショー、ジョシュ、ジャック)の墓が建てられていた。

 最後に、四人の墓をバックにエマのモノローグでタイトル回収がされる。
崇高なる七人マグニフィセント・セブン

まとめ

 第1幕ではエマ・カレンやサム・チザム(主人公たち)の目的や置かれている状況が説明される。

 この映画はどんな物語なのかが観客にしめされたところで第2幕へ。
(ボーグをぶっ倒してローズ・クリークに平和を取りもどす話)

 第2幕では目的を達成するための苦悩や葛藤が描かれる。
(仲間集め、住民たちの説得、決戦の準備、優勢からの劣勢、敗北の予感から逆転の兆し)

 第3幕では主人公たちの目的が達成され、物語がはじまるまえとどのように変化したのかがしめされる。
(ボーグを打ち倒してローズ・クリークに平和がおとずれた)

感想

 水戸黄門のような勧善懲悪もの。わかりやすいストーリーでムカつくやつを倒してスッキリできる映画でした。

【不満なところ】

 時間の都合上むずかしいのは承知ですが、サム・チザム以外の6人の動機がしっかりしていれば、もっとたのしめた気がします。

 あと、サム・チザムだけ私怨のためにボーグを倒そうとしているように見えるので本当にマグニフィセントなのは6人だけじゃないのか? とも思ってしまいました。いっそのこと彼の動機もハッキリさせないほうがよかったのかもしれませんね。

【満足したところ】

 いちばんカッコいいのはサム・チザムでまちがいないですが、個人的に好きなのはヘタレのグッドナイト・ロビショーです。クレヨンしんちゃんの『裏切りおにぎり』ことマサオくんみたいな裏切り行為からのカムバックがたまりませんでした。

 ボーグの悪役っぷりも最高で、腹が立つポイントをちゃんと押さえてくれていました。金や権力で貧乏人をいたぶり、搾取。自分はそれほど強くない。命乞いをして不意打ちしようとする。

 などなど、頭を打ち抜かれようが、首をちょん切られようが良心の呵責にさいなまれない親切設計のすばらしい悪役です。

 というわけで、結論。『マグニフィセント・セブン』はわかりやすくて非常にスッキリできる勧善懲悪映画ですっ!

 ストーリーの分析はこちら↓を参考にしました。

 本の内容はこちらで紹介しています。

www.fechi-eiga.com

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最後まで見てくれた方に感謝です