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『アダム・サンドラーはビリー・マジソン 一日一善』【※ネタバレ】ストーリーの分析

アダム・サンドラーはビリー・マジソン/一日一善 (字幕版)

 今回は『アダム・サンドラーはビリーマジソン 一日一善』のストーリーの構造を分析します。

『アダム・サンドラーはビリー・マジソン 一日一善』の概要

上映時間:108分
公開年:1995年
制作国:アメリカ
監督:タムラ・デイヴィス
出演:アダム・サンドラー、ブリジット・ウィルソン、ダーレン・マクギャヴィン

 自堕落な生活を送るホテル王の息子ビリー(27歳)が、父の後をつぐために小学生から勉強をやり直すコメディ映画。

ストーリーの分析

『アダム・サンドラーはビリーマジソン 一日一善』の結末までのあらすじをいくつかのブロックにわけて重要な部分を解説していきます。

※この先は『アダム・サンドラーはビリーマジソン 一日一善』の結末や重要な部分のネタバレがふくまれるので未見の方は気をつけてください。

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この先、ネタバレ注意です!

オープニング

 いい歳なのに自堕落な生活をつづけるホテル王の息子ビリー。昼間から酒を飲み、エロ本やゲーム三昧の生活を送っていた。

物語が動き出すきっかけ

 ある日、そんなビリーにがまんできず、父親の堪忍袋の緒が切れる。父は会社の経営を息子のビリーではなく、部下のエリックに継がせようとする。

重要な選択

【ビリーの目的と物語の進む方向がしめされる】

 父の後を継ぎたいビリーは、自分がバカでないことを証明して後を継ぐために小学校から勉強をやり直すと父に誓う。(重要な選択)

 小学校1年から高校卒業までの勉強を1学年につき2週間で勉強し、テストを受けて合格ならつぎの学年に進級する、というのがルール。

 こうしてビリーは小学校から勉強をやり直すことになる。

 第1幕がおわり、第2幕へ

 第1幕ではビリーのダメな部分(成長するべき部分)や彼の置かれている状況、物語の進む方向などがしめされ準備が整えられた。

小学1年生からやりなおすビリー

 自堕落な日々を送っていたビリーが規律のある学校に通いはじめる。(第1幕と真逆の環境に身を置くことになる)

 順調に進学していくビリー。彼は小学3年生のとき女教師のベロニカ・ボーンが受け持つクラスに入る。ボーン先生は、他の生徒たちをバカにするビリーの態度をしかり、以後ビリーにきつくあたるようになる。

 ビリーは最初、先生に反発していたが、彼女に惚れてしまう。

 学校の行事で遠足に出掛けたとき、生徒のひとりがおもらしをしてしまう。ビリーは自分の股間をぬらして生徒たちの注目をあつめ、その子をかばう。

 そんな彼の行動にボーン先生は感動する。先生もビリーに惹かれていき、二人の仲は進展していく。

高校まで進級したビリー

 ビリーは順調に高校まで進級する。

 だが高校でいじめられ、くじけそうになるビリー。彼はボーン先生の元に相談に行く。先生はビリーに同情しつつも「そうやって自分も誰かをいじめた経験があるんじゃないの?」とビリーに問う。

 心当たりがあったビリーは昔いじめていた同級生に電話して、心の底から謝罪する。いじめられっ子は殺したい奴リストからビリーを除外する。(伏線)

状況はどんぞこへ

 このままではビリーがあと継ぎになってしまうと恐れたエリックは小学校の校長先生を脅迫する。

 校長には「圧殺仮面ブロブ」という覆面レスラー時代に対戦相手を殺してしまったという過去があったのだ。

 おどされた校長はビリーが不正を働いて小学校を卒業したとウソの証言をする。そのことがニュースになり、あきれたビリーの父はホテルのあとつぎをエリックにする。

 こうしてビリーはもとの自堕落な生活にもどってしまう。(見せかけの敗北)

逆転へのきっかけ

【敗北は見せかけで、まだ負けていないことがわかる】

 そんな彼の元にボーン先生がおとずれる。彼女に叱咤されビリーは再び立ち上がる。

 ビリーとともに勉強した小学校の生徒たちが校長を説得する。校長は自らの過去とウソの証言をしたことを認めてメディアのまえで謝罪した。

 ビリーが自身のがんばりによって手に入れた信頼関係が彼を助けた。

 第2幕がおわり第3幕へ

クライマックス

 エリックの偽装工作がバレてしまい、ビリーとエリックはアカデミック・デカスロン(勉強、スポーツ、音楽などの10種競技)であと継ぎの座をかけて対決することになる。

 対決の結果はほぼ互角で最後はパネルクイズでの対決となる。エリックが問題にこたえられず、ビリーの勝利が目前になったとき、エリックは暴走する。銃を取り出し「違う問題に変えろ」と暴れる。

 エリックがビリーに銃を向けたとき、舞台の袖から圧殺仮面ブロブ(校長)があらわれてエリックに体当たりする。

 校長に助けられ、ほっとしたのも束の間だった。エリックは起き上がり再びビリーに銃を向ける。しかし間一髪のところで、かつてビリーがいじめていた同級生がエリックのケツを銃で撃ってビリー助ける(伏線の回収)。

エンディング

【オープニングとの対比、変化が描かれる】

 エリックとの勝負に勝ち、父との約束を果たしたビリー。しかし、彼はあとつぎを辞退して、いままで世話係として自分を支えてくれたカールに会社をゆずる。

 そして、ビリーは大学に進学して教師を目指す。

 オープニングでは何の目標もなく自堕落な生活を送っていたビリーだったが、エンディングでは自分の目的を見つけて進んでいく姿が描かれる。

まとめ

 自立せず、何の目標もなく自堕落な生活を続けていた青年が、自らの目標を見つけ自分の足で進みはじめるようになるまでを描いた成長物語。

 体や時間軸はそのままですが、過去にもどったり若返ったりして人生をやり直すタイプの映画と共通する部分が多いです。

 勉強のやり直しや、いじめられっ子との和解はまさに過去を改変する行為といえるでしょう。

 主人公の成長をわかりやすく描いてハッピーエンドを迎えるザ・アメリカンコメディといった物語の構造です。

感想

 アダム・サンドラー主演映画は今作に限らず自立できていない大人が主人公の場合が多いですよね。『プロゴルファー・ギル』『ビッグ・ダディ』『俺のムスコ』などなど。

 そして、毎度のようにくだらないギャグにちょっとした感動をねじ込んでくる【セクシー・コマンドー】スタイルで観客を泣かせにきます。

 いじめられっ子や圧殺仮面ブロブの活躍を描くためにエリックを暴れさせるのは少々無理のある展開に感じられましたが、笑えたのでこれはこれでアリなのかもしれませんね。

類似作品

 同じくアダム・サンドラー主演の映画『Mr.ディーズ』(『オペラハット』のリメイク作)

 ピザ屋で働く青年に突如、莫大な遺産が舞い込んでくる話です。あとつぎに関するトラブルやラストの展開がビリーマジソンに似ています。

 ストーリーの分析はこちら↓を参考にしました

 本の内容はこちらで紹介しています 

www.fechi-eiga.com

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最後まで見てくれた方、感謝です